犬の前十字靭帯断裂の症状と原因!予防法や対策は?
スポーツ選手がよく見舞われるケガのひとつに、靭帯断裂というものがありますよね。
中には経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね。
犬にも同じように靭帯があり、外部からの強い衝撃やひねりなどで傷ついてしまい、酷い場合は断裂することもあります。
比較的多いとされるこの靭帯のケガ。
今回は前十字靭帯断裂のついて、原因や治療法などを調べてみました。
膝と靭帯について
簡単に、膝と靭帯についての仕組みを勉強しておきましょう。
膝の周囲には、大腿骨、脛骨があり、それらの先端は軟骨でおおわれ、さらに間に半月板と呼ばれるクッションの役目をするものが挟まっています。
大腿骨と脛骨は5つの靭帯でつながっていて、その中のひとつが前十字靭帯です。
前十字靭帯は、脛骨が変な方向にねじれないようにしている靭帯なのです。
前十字靭帯が損傷するケース
強い力がかかったり、ねじれたりすると損傷するのですが、たとえばケンカをしたり事故に遭ったりということでなくても、走っている時やジャンプして着地した時など、何気ない場面でも損傷してしまうことがあります。
スポーツ選手のように鍛えている人でも靭帯を損傷することから、運動の好きな活発な犬は、靭帯を損傷するリスクもそれだけ高いと言えます。
その他、肥満や加齢なども前十字靭帯損傷の要因となります。
犬種別では、ダックスフント、レトリバーなどが靭帯を損傷しやすい犬種という報告もあります。
症状
- 運動を嫌がる
- 関節部の腫れ
- 座った時などに、後ろ足を不自然に投げ出す
- 足を地面につけられない
前十字靭帯が完全に断裂している場合と、単に損傷しているだけの場合とでは症状も違いがあります。
足を地面につけられない、足が変な方向へ向いているなど、明らかに異常がみられる場合はすぐに病院へ連れていきましょう。
少し痛そう、若干引きずっているといった場合も、放置すると場合によっては断裂してしまう可能性もあるので、とにかく触って痛そうにする場合は獣医師の診察を受けましょう。
検査や手術について
まず全身の状態をチェックし、肢以外に問題がないかを確認します。
目の状態や耳の中などを確認することで、神経や脳を起因とする病気でないことを確認するのも大切です。
その後、触診を行い、レントゲン検査で炎症の部位特定や治療法の決定を行います。
小型犬や、おとなしい犬の場合は、非ステロイド性抗炎症剤の服用や減量などで手術を行わずに治療することもあります。
なによりも、痛みをとることと機能回復、炎症を抑えることが治療となりますが、犬の年齢や性格、体重などを勘案して、場合によっては手術を選択することもあります。
最新の手術として、インプラントを装着することで比較的早く歩けるようになるTTA(脛骨粗面前方転移術)や、TPLOといった画期的な手術が確立されており、大型犬や術後の管理が難しい犬にも適用されています。
治療費は?
手術の内容や犬の大きさでも変わりますが、一例として挙げておきます。
柴犬程度の中型犬の場合
TPLO方式の手術、膝蓋骨脱臼などの手術も合わせて行う場合、入院費も含めて20万円~30万円といった費用がかかります。
大型犬の場合は、そもそも割高になりますので、場合によっては50万円ほどかかることもあります。
術後について
手術した場合、約1週間程度は入院しなくてはいけません。
その後、抜糸などを経て1ヶ月程度は安静にしておかなければなりません。
骨を切ったりすることがあるので、その癒合具合の確認のため、術後も定期的なレントゲン検査が必要です。
埋め込んだインプラントも、場合によっては取り除くこともあります(その場合も手術)。
また、片足の前十字靭帯断裂の場合、反対側も断裂する可能性があります。
完全に回復するには、2~3ヶ月程度は必要です。
気になったらできるだけ早めに受診!
持病として、膝蓋骨脱臼を患っている犬や、運動が大好きな犬は、この前十字靭帯の損傷や断裂を起こすリスクがあります。
もちろん、命にかかわるわけではないですが、痛みがあるものですし、思うように運動できなくなるのは強いストレスとなります。
歩き方が気になったら、出来るだけ早く病院へ行きましょう。
肥満は大敵ですから、食事管理も合わせて行うことが必要です。
なかなかすぐに完治!とはいかないのがこういった関節や骨、靭帯の怪我ですが、どうか焦らず不安がらないで楽しく犬に接してあげてくださいね。
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