犬の多頭飼いのメリット・デメリット!注意点は?
皆さんが飼われている犬は何頭ですか?
最近では複数一緒に飼う、多頭飼育が増えています。
我が家も2頭の犬と暮らしていますが、今回は多頭飼いのメリット、デメリット、注意すべき点などを、経験を踏まえてご紹介いたします。
犬にとっては多頭飼いが理想
犬は、古くから群れで生活をしてきました。
人間と暮らすようになってからも、狩りなどは複数の犬がチームで行いますし、人間も含めて「群れ」として暮らしています。
夫婦がいて、その子供たちで構成された群れは、時には別の群れと合流したり、はぐれた個体が群れに合流することもあります。
その中でリーダーが決まり、そのリーダーの統率のもとで暮らすことが、オオカミをはじめとする犬たちの本来あるべき幸せな姿なのです。
それを考えると、犬が1匹でいることは摂理に反しているので、多頭飼育は犬にとっては良いことです。
しかし、そこに人間がかかわると、自然界のようにうまく機能しない場合も出てきます。
メリット
犬同士の本来の社会性が備わる
人間と犬との混合の群れであっても、人間をリーダーとして社会性は磨かれていきます。
ですが、犬同士の社会性を人間が実現するのは難しいこともあり、複数の犬の中で育つ、暮らすというのは、犬にとって最も自然なカタチでの生活が成り立ちます。
孤独を感じ難い
現代社会において、犬のそばに誰かがずっといてやれる生活スタイルを実践するのは非常に難しいことです。
ですが、犬はリーダーがいて、安心できる家族がそばにいることで満足感を得ますから、あまりに長い間一人ぼっちでいさせるのは犬の生態を考えれば好ましいとは言えません。
多頭飼いはその問題を払拭する完全な手段といえます。
我が家も1頭目は、家族が仕事に行っている間、ストレスからかトイレの粗相や家具を壊すなどの症状がありましたが、2頭目が来てからはそういったことはなくなりました。
デメリット
ここからが重要ですが、実は人間が関わる群れの場合、デメリットが多いのです。
というのも、自然界の群れの場合、弱いものは淘汰されて終わりです。
リーダー争いが起こっても、負けたものは去りゆくのみなのです。
しかし、人間社会で暮らす犬は、そういうわけにはいきません。
トラブルが起こっても、その群れで生きていかなければならないのです。
先住犬のストレス
個体差が大きいですが、途中から2頭目を迎える場合は先住犬がストレスを抱えるケースがあります。
ほとんどの場合2頭目は仔犬の状態でしょうから、怖いもの知らずな天使だか悪魔だかわからない状態でしょう。
しかも、人間は新しく来た子犬に夢中。
そんな状態に自分が置かれたら、想像すればわかりますよね。
先住犬をないがしろにすることなく、良い関係性を築けるような配慮が必要です。
経済的負担は倍以上
経済的に余裕がない場合は動物を飼育することはしてはいけないと考えます。
1頭が2頭になれば、単純に倍になる、ではありません。
たとえばフードにしても、同じものを食べてくれるとは限りませんし、アレルギーなどの問題もあるかもしれません。
病院にかかるケースも同じではないですし、犬種によってはそれまで必要なかったトリミングなどの費用もかかります。
最低でもどれだけかかるのかを考えてからにしましょう。
1頭目の性格が激変する可能性
これも個体差によりますが、おとなしくしつけも出来ていたはずの先住犬が、2頭目がきた途端、凶暴になった、言うことを聞かなくなったという話は少なくありません。
これは、しつけをしたつもりが出来ていなかった、飼い主との間にしっかりとした主従関係が出来ていなかったことが原因です。
おとなしいから大丈夫、と甘く考えていると痛いしっぺ返しを食らうことになります。
多頭飼いは犬にとって幸せなことである反面、リーダーである人間がしっかりしていないと不幸にしかなりません。
また、犬同士の相性というどうしようもない問題もあるため、簡単に考えてはいけないということは理解しておいてくださいね。
多頭飼いするための心構え
犬種の組み合わせは妥当か?
同じ犬種の多頭飼育であれば、特に小型犬の場合、問題は少ないでしょう。
しかし、チワワと秋田犬(極端ですが…)などといった、体格差が大きすぎる組み合わせは素人には危険すぎます。
よく、CMなどで大型犬と小型犬が仲良くしている映像を見て、ほほえましく思うのは理解できますが、実際に暮らす場合、大型犬の遊びが小型犬を傷つける、場合によっては死に至らしめるケースがあることを知っておかなければなりません。
現在飼育している犬と体格差のない犬にしましょう。
性別の組み合わせを考える
オス、メスの組み合わせの場合は、子供が生まれてしまう可能性を考えなければなりません。
同じ犬種で、繁殖も視野に入れている場合はまだしも、違う犬種の場合や繁殖を望まないのであれば、必ず避妊手術・去勢手術をすべきです。
繁殖したとしても良い、そう考えていても、生まれた後の仔犬の行き先が定かでない場合、安易な繁殖はやめましょう。
また、同性同士であってもオス同士の場合、未去勢だとケンカが頻発する可能性もあります。
犬は発情したメスのニオイを感知して発情しますから、家にメスがいなくても近隣にいれば発情します。
去勢されていなければ、本能から攻撃的になることもありますから、オス同士だから去勢の必要はない、とは言い切れません。
飼い主(リーダー)としてふるまえるか
自身の問題となりますが、群れの頂点として自分は認められているでしょうか?
今いる犬があなたをリーダーとして認めていない場合、2頭目があなたをリーダーと認めることはまずないでしょう。
1頭ならなんとか保てていた関係も、犬が複数になることで収集つかなくなることがあります。
1頭目との関係を見直し、まずはリーダーとしてふるまえているかをしっかり考えてからにしましょう。
近隣への配慮はできているか?
1頭の時は静かだったけれど、2頭、3頭となると騒がしくなるケースが多いです。
犬を増やす際は、近隣の迷惑にならないかも考えておかなければなりません。
特に家を留守にする間など、家族にはわからない騒音を出している可能性もあるので、その点も配慮が必要です。
まとめ
多頭飼いは、人間も犬も幸せなことです。
しかし幸せな群れを維持するためには、乗り越えなければならない条件があるということが理解していただけたと思います。
個人的には多頭飼いはおすすめなのですが、大変なことが多いのも事実ですし、犬種が何かによっても変わってきます。
自分が群れのリーダーになれるかどうか、そしてリーダーになる努力が出来るかどうかも重要です。
かわいいから、癒されるから、といった人間目線ではなく、犬の立場で考えるようにしてくださいね。
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