犬の噛み癖の治し方!原因や対処法は?
飼い犬の困った癖のひとつに「噛み癖」があります。
子犬のころの甘え噛みならまだしも、成犬になっても治まらないと、時にはケガなど大きなトラブルに発展する可能性がありますよね。
噛み癖の原因や対処法について以下にまとめてみました。
目次
噛みつく原因は?
まず、なぜ噛み癖がついたのか、その根本的な原因を探ることも大切です。
噛み癖はなぜ、起こってしまうのでしょうか?
成長過程での問題
仔犬期に、噛むことは成長過程において重要なプロセスです。
また、歯が生え変わるなどの変化で、むずがゆいなどの症状を和らげるために、一時的な噛み癖が出ることがあります。
遊びの延長として
おもちゃなどで遊ばせている時の「噛む行為」は、犬にとっては遊びの一つであることが多いです。
犬同士でも、じゃれあっている時にわざと歯をあてたりして遊ぶこともあります。
自己主張・表現
犬は言葉を話せません。
その代わりに、飼い主に何かを訴えたい時の手段として、噛むという行動をとることがあります。
気に入らないことへの拒否・欲求を満たしたいとき・時には甘えや愛情表現として噛むこともあります。
気に入らないことへの拒否について、以下に一例を挙げてみました。
- 食事の時に手を出した
- 触られたくない場所(足など)を触った
- シャワー、病院など嫌なことを思い出させた
本能・性格の問題
犬にも個性が当然あって、よほど訓練された職業犬でない限り、怯えたり威嚇したり、攻撃的になる場合があります。
一時的な興奮状態での攻撃性はさほど心配はいりませんが、犬の性格そのものが攻撃的な場合は問題です。
家庭内における序列など、攻撃性の原因となる何かが潜んでいる可能性があります。
- 見知らぬ人への威嚇
- 飼い主より立場が上だと思い込んでいる
- 飼い主を取られまいとする嫉妬など
また、コーギーなど、歩いている人の足を噛まずにいられないという、本能的な噛み癖も存在します。
ストレス軽減のための行為
人だけではなく、噛み癖は家具やカーペット、リモコンなどの家電に及ぶことがあります。
これは、強いストレスや不安を抑えるための代償行為とも言われます。
その他、病気の可能性
目が不自由な犬や、体に痛みがある場合、脳にダメージを受けた後など、攻撃的になることがあります。
体が痛い場合、ただ単に触られたくない以上に、本能として弱っている自分を守る必要があるため、攻撃してしまうことがあります。
直すためにはどうすればいいの?
あなたの愛犬がまだ仔犬の段階であれば、噛み癖を直すことは比較的、難しくはないでしょう。
しかし、成犬になってしばらく経っているような場合は、やみくもに叱りつけたりしても、まず直すことは難しいのです。
そのためには、噛む理由をしっかりと把握し、適正な方法で対処していかなくてはなりません。
主張の一環としての噛み癖と、攻撃性の強さからくる噛み癖を、同じやり方で対処しても、改善されることは難しいのです。
では、家庭で出来る具体的な対処法を見ていきましょう。
家庭でできる直し方
まず、家庭でも安全に行えて、かつ効果的な方法をご紹介します。
基本的な考え方
噛み癖だけではなく、しつけ全般に言えることですが、
- 家族によって対処法を変えない
- 犬の要求にすぐ応じない(待たせる)
- 一つのアクションの中に、ご褒美と罰を混ぜない
- 褒める、叱るタイミングを逸しない
- 痛みを伴うような方法を用いない
以上の点はしっかりと念頭に置きましょう。
特に、叩くなど体罰を与える方法ですが、犬が遊びと勘違いすることも多く、全く意味がないばかりか、犬によってはかえって攻撃性が増したり、ストレスなどから健康を害することもあります。
ご褒美と罰を混在させてしまう、タイミングを逃すのも、犬は混乱してしまいます。
また、しつけは家族の一人が行うのではなく、子供も含めた家族全員で取り組むべきです。
これは序列をはっきりさせる意味もあります。
遊びの延長で噛むのを直すには?
遊んでいる時につい、噛んでくる場合は「痛い!」などと大きな声を出して、さっとその場を去りましょう。
別室に移ることが効果的です。
その後、犬が遊ぼうと誘っても、しばらくは無視してください。
犬からしてみれば、楽しい遊びが中断されただけでなく、飼い主が姿を消すという「嫌な出来事」が起こるわけです。
一度や二度では理解できませんが、噛むたびに繰り返すことで「噛むと嫌なことが起こる」と学習します。
ソファーやクッションなど家具を咬む癖を直すには?
まず、噛んでも良いおもちゃを用意しておきます。
噛んでほしくない場所や物には、市販のいたずら防止スプレー(ビターアップルなど)を吹きかけておきます。
犬がいつものように噛んではいけないものを噛むと、口の中に苦み成分が広がり、犬の頭の中には「嫌なこと」として認識されます。
噛むのをやめたら、噛んでも良いおもちゃを与えます。
これは、ご褒美と罰との混在ではなく、むしろご褒美の効果を高める方法ですので、必ずセットで行いましょう。
また、普段から不要になった日用品をおもちゃとして与えるのはやめましょう。
犬には新品とお古の差はわかりません。
なお、与えるおもちゃも、固いものは避けてください。
ドライフードよりも固いものを与える必要はないですし、固いものを咬むからと言って歯が丈夫になるわけではありません。
むしろ、破折などの重大なケガにつながる危険があります。
食器を触ると手を噛んでくる行為を直すには?
まず、食事を与えると同時に、手に嗜好性の高いおやつや肉などを持ちます。
犬が食事を始めたら、そのおやつを見せたりして気を惹きます。
犬がおやつに興味を示し、食事をやめたら、おやつを握った手を、ゆっくり食器に近づけ、犬がうなったりしなければおやつを与え、同時に食器を触ります。
これは「手が近づいても安心して良いのだ」と犬に学習させることが目的です。
中には「食器を取り上げる」という教え方もありますが、取り上げてしまうと犬は「騙された!」と感じてしまう場合もあるため、触る程度を繰り返すのが良いでしょう。
専門家に相談した方が良いケースもある?
噛み癖の中でも、要求や拒否、遊びの延長ならば家庭でも十分矯正可能です。
ですが、攻撃性の強い犬の場合や、病気が原因である場合、また、家庭内での序列がうまく機能していない場合は、トレーナーなどの専門家と共にしつける方が有効かつ、安全です。
まとめ
犬によって程度は様々ですが、噛み癖を放置しておくことは好ましくありません。
させるがままにするということは、その時点で序列の頂点が犬であることに他なりません。
仔犬のうちから「噛んでよいもの」「噛んではいけないもの」を理解させる必要があります。
また、自分では対処できないと判断したら、専門家のアドバイスを受けましょう。
うまく分からせるコツやタイミングなど、人間も一緒に指導してもらうことで、早く直るケースも多いのです。
一部ですが、噛み癖が直せないからといって犬歯を削ってしまう人もいるようですが、責任を放棄した行為でしかありません。
噛む原因を把握し、適切な対処を根気強く行い、安心して犬と生活を共にできるようにしましょう。
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