ビッグウッド華の原材料・成分と口コミ評判
日本はペットフードについては、非常に遅れているという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし、それは大手のペットフードメーカーのCMや販売力に押されてしまって、その他のメーカーの商品が見えていないという事実もあると思います。
今回は、国産のドッグフードであるビッグウッド「華」を取り上げます。
原材料にハーブを多用している「華」ですが、実際にはどのようなフードでしょうか?
ドッグフード誕生までの歴史
ビッグウッド「華」を語る上で外せないので、まずは以下をお読みください。
発端は1987年にさかのぼります。
ビッグウッド社の社長である大木氏は、愛犬アトムが長年皮膚病に悩まされ、11年で亡くなってしまったことから、愛犬に何もしてやれなかった償いの気持ちを込めてドッグフードの調査を始めました。
そこで経験した当時のペットフードの劣悪な状態を憂い、アメリカへ飛びます。
いまやペット先進国のアメリカでも、当時はいわゆる4Dミートなどを使用していて大木氏はまたしても衝撃を受けます。
その経験をもとに、自分が納得できるドッグフードづくりが始まったようです。
熱意はあっても素人の大木氏によるドッグフード作りは5年たっても成功しません。借金を重ね、家族を犠牲にし、見かねた銀行の担当者のポケットマネーまで使わせてもらうという中で、製薬会社や大学教授らとの出会いがあってなんとかドッグフードの基礎が出来上がります。
当初はレトルトタイプの五目御飯だったようですが、紆余曲折あり、再度アメリカへ渡った際にハンナ・クローガーと出会います。
彼女はいわゆるホメオパシーを支持しており、大木氏もまた、講座を通じて学んでいます。
ハンナと出会った時に、家族写真を見せただけで家族の既往症などを言い当てられたことや、大木氏自身の体の悩みを言い当てたことなどで、大木氏はハンナを崇拝するようになります。
ハンナの教えのもと、ハーブを組み合わせることで自然治癒が見込め、体調不良や病気は磁場のゆがみが関係し、化学物質や自然でないもの(医薬品含む)が状態を悪化させるといった教えを忠実に学んだようです。
その後、ハンナから36種類ものレシピを伝授され、それが現在ビッグウッド社が製造しているドッグフード「華」のもとになっています。
完全無添加だけど総合栄養食ではない?
「華」シリーズにはラインナップがあり、通常版のほか、小型犬用の「ちび華」、おなかが弱い犬向けのもの、お米アレルギーの犬のためのもの、たんぱく源が魚のものなどがあります。
しかし、ドッグフードに必要とされている栄養素を原材料のみに頼り、添加をしていないため「総合栄養食」ではありません。
華米(無農薬玄米・白米・発酵米ぬか)・豚(豚レバー・豚骨スープ・豚肉)・鶏ササミ肉・白たかきび・天然温泉水・天然ケル プ・常緑広葉樹皮炭素抹・低温抽出常緑広葉樹皮木酢液・タウリン・アルファルファー・キャラウェイ・ホーステイル・パースレ-・ウオータークレス・ジェニ パーベリー・イースト(ビール酵母・ガーリック)・有機ウコン・ラム肉・モロヘイヤ・フェンネル・有機あしたば・サケ白子抽出物(DNA含有)・ガジュ ツ・バジル・スターアニス・ヒソップ・酵母リボ核酸
まず、評価できる点から見ていきましょう。
完全無添加
添加物は一切ありません。栄養成分も、原材料から得られるものだけとされています。
理由は「添加した栄養素は、パートナーの声明に調和することがない」からだそうです。
ちょっとよくわかりませんが、天然成分すら添加しないという徹底した姿勢は、ある意味評価できるでしょう。
低温調理法で製造されている
栄養素を壊しにくい低温調理法は評価できますね。
栄養素を追加しないというのも、低温調理法に自信があるからなのでしょう。
次に、心配な点を見てみましょう。
糖質が異常値
たんぱく質が20%以下ということも驚きですが、糖質がなんと57%です。
原材料表示のトップが米ですからそうなのでしょうが、この糖質の量は本当なのかと疑ってしまうほどの値です。
ホームセンターで安く買えるドッグフードでも、45%といったあたりなので、この値は異常です。
木酢液で体内を弱アルカリ性に?
「華」の特徴として、原材料に木酢液が使用されています。
この目的ですが、宮崎大学獣医学部の指導の下に、家畜に木酢液を与えたところ病気をしなくなったといった効果があったため取り入れたようです。
その際に、広葉樹の皮を使った炭と合わせることで、酸性とアルカリ性を同時に体内に摂りいれ、酸性とアルカリ性がそれぞれの場所でそれぞれの効果を発揮する・・・とのこと。
木酢液 犬 というキーワードで検索しても、「犬除け」「マーキング防止」しか出てこないため、公式サイトの情報しかありませんが、体内を弱アルカリに保つことが良いと記載されている点は、100%正しいのかどうかの判断がつきません。
ハーブは疾患に対して万能か?
ハーブを多用しているドッグフードは少なくありません。
ティンバーウルフなどもハーブから有益な成分を摂りいれています。
しかし、それらの効能は抗酸化作用や安全な嗜好性向上といったものであり、決して病気が治るといった性質ではありません。
「華」を製造するビッグウッド社の他の製品には、がんや腫瘍、てんかんなどに効果があると銘打ったハーブをブレンドした製品が多数販売されています。
体に悪くはないでしょうが、ハーブが病気を治すのであれば獣医はいらないことになります。
このあたりに、ホメオパシーが絡んでいるのだと思いますが、販売方法として誠実だとは思えません。
ホメオパシーの是非
人間の場合、医学界はホメオパシーの医学的効果はないと全否定しています。
「良くなった気がする」といった、いわゆるプラセボ効果すら、否定している声もあります。
芸能人や、意識を高く持っている人には根強い人気のホメオパシーですが、実際にはホメオパシーが薬や栄養補強を疑問視しているために起こった新生児死亡事件などもあります。
自然治癒や薬、予防接種の否定が、医療を遠ざける結果を生み、助かるものも助からないといったことがあるのが現実です。
実際に「華」を製造販売するビッグウッド社のサイトでは、フィラリアの予防薬投与や狂犬病予防接種を「負担」ととらえており、ホメオパシーといった言葉も登場しています。
ドッグフードを真剣に考えるあまり、医療や薬を阻害するようなことは本末転倒以外のなにものでもなく、飼い主の自己満足、自己愛と断言します。
購入者のレビュー・口コミ
公式サイトのレビューには、絶賛する内容しかありません。
皮膚の状態が改善された、食いつきが良かった、など、多数の声があります。
しかし、お客様体験記なるページには、「華」に変えてから犬の性質まで変わったというもはやオカルトの域に達する話が掲載されており、参考になるには程遠いものが多く見受けられました。
また、1歳のころから「華」を与え続けていたにもかかわらず、腫瘍ができた犬がいましたが、そこはスルーして、その後病院通いしても治らず、「華」を再開したところ回復したという何が何だかわからない話もありました。
皮膚トラブルが絶えないこともあって、他の方の口コミを見て華に切り替えました。
ですが、うちの愛犬には合わなかったみたいで便の状態が緩いのが続き、3ヶ月経っても変わらなかったので止めました。
皮膚の状態も変化はなく、犬によって合う合わないがあるのかなと感じました。
価格帯と購入方法
公式通販のほか、セレクトショップや楽天などでも購入できます。
価格は「華」の場合、1kgあたり2772円です。2.5kg×4の10kgパックの場合は、1キロ当たり2300円程度となります。
割安にはなりますが、酸化防止が施されていないため、買い置くことはやめましょう。
また、製造工場も在庫を抱えないそうなので、注文して届くまでに1週間程度かかることがあるようです。
総評
原材料
製造管理
購入のしやすさ
企業の信頼性
アレルギーを起こしにくいとはいえ、糖質の数値は無視できません。
穀物の多さが原因とは言えないかもしれませんが、おなかを壊す犬も少なくないようで、その旨公式サイトに注意書きがあります。
低温調理である点、原材料へのこだわりなど製造管理は素晴らしいと言えますが、問題を指摘されているホメオパシーに基づいている企業理念や、医療を遠ざける可能性を含む姿勢などは信頼に値しません。
以上のことから「華」の総合評価は☆2です。
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