犬の脱水症状の原因と対処法・予防
脱水症状は、人間であってもたいへん危険な状態です。
体内の約10%が失われると、脱水症状にあると判断されますが、それはどのような症状で、どんなことが原因で引き起こされてしまうのでしょうか?
症状としては、元気がない、ぐったりしているということがまず挙げられます。
それ以外に、口の粘膜や歯茎が乾いている、皮膚をつまんで離しても、たるみがもとに戻らないといった症状があります。
重篤な場合は、震えがみられることもあります。
考えられる原因は?
では、なぜそのようなことがおこるのでしょうか?
単なる水分不足で引き起こされることは、ほとんどない言われています。
というのも、手術や治療の前日などは、深夜以降は絶飲食になることもあり、また、術後も全身麻酔などをした後は、すぐに水を飲ませないようにという指示もありますよね。
実際、我が家のアラスカンマラミュートも、歯の治療で全身麻酔を施され、その日は前日も含めて12時間以上水を飲めませんでした。
もちろん、一時的なことであり、血液検査でも脱水に近い症状はありましたが、問題はない状態でした。
消化不良・熱中症・内臓疾患などの病気
特別な事情がないにもかかわらず、脱水症状を起こすということは、大きく分けて3つの理由が考えられます。
- 消化不良による下痢や嘔吐
一つ目は、なんらかの原因で消化不良を起こし、下痢や嘔吐で水分が失われ、一時的な脱水症状に陥っているということです。
おなかが空き過ぎた状態で一気に餌を食べたり、ストレスなども影響します。
吐いたものを食べたり、食後すぐに未消化のものを吐いたりするのは、一気に食べ過ぎたことが要因であることが多いです。
この場合は、様子を見ながら落ち着いて食事をさせれば問題はないですが、吐いたものに明らかに血が混じっているとか、その血がどす黒いといった場合は、内臓で出血している可能性があるので、獣医さんに相談しましょう。
- 熱中症
二つ目は、熱中症によるものです。
季節を問わず、いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくことは大切ですね。
しかし、短時間で熱中症は引き起こされることもあるので、熱中症が疑われる場合はすぐに獣医さんに連れていきましょう。
- 内臓疾患
三つ目は、内臓疾患によるものです。
考えられる病気として、腎疾患、急性胃炎などが挙げられます。
いずれも、脱水症状が起こるのは重篤な状態といえますので、一刻も早く病院へ連れていきましょう。
突然そのような状態を目の当たりにしたら、慌ててしまうかもしれませんね。
すぐに獣医さんに連れていけないこともあるでしょう。
そんな時に、自宅でできる対処法がいくつかありますので、ご紹介します。
自宅でできる対処法
人間用のものを、3倍程度に薄めて少しずつ与えましょう。
電解質を補う必要があるので、調整されたスポーツドリンクは有益です。
スポーツドリンクがない場合には、水1リットルにたいして砂糖大さじ4杯、塩一つまみを溶かしたものをゆっくり与えましょう。応急処置に適しています。
脱水症状を起こしてしまった後に水分を与える時には、水道水を与えてはいけません。
また、あせって一度に大量の水分を与えると、かえって胃腸を刺激し、嘔吐を引き起こすことが多いため、逆効果です。
電解質やミネラルを含む水分を、スプーン一杯分ずつ、ゆっくり与えましょう。
日常生活における予防
では、日々の生活で予防できることはどんなことでしょうか?
室内飼いの場合、冬場は温度が高くなりすぎて、知らないうちに熱中症にさせてしまうことがあります。
電化製品を近づけすぎたり、温度設定を高くしすぎたりしないよう気をつけましょう。
老犬など、十分な栄養をとることが難しくなってきた場合もそうですが、日頃からミネラルがバランスよく含まれたドッグフードを与える、場合によっては、ウェットフードをプラスしてみるといったことも一つの選択肢ですね。
脱水症状を引きこす原因は、先に述べた内臓疾患の他に寄生虫、感染症などの場合もあります。
自己判断せず、獣医さんの指示を守って、きちんと対処しましょう。
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